襲名
噺家が大名跡を受け継ぐ『襲名披露』をテーマに
弥栄牡丹の顔、そして原点として、
約2分30秒の短い作品ながら、和風の動きから現代的なダンスまで様々に
今後の作品に込める雰囲気をすべて盛り込んだ作品です。
そして、曲の後ろに2分の曲を追加し、実在の噺をテーマにした襲名シリーズ
『反対俥』『もう半分』『紺屋高尾』
それぞれの演舞のマクラとして
世界観を伝える重要な役割を持っています。
『襲名』
[あらすじ]
今日は若い噺家が名跡を受け継ぐ襲名披露の日
若さ故に名跡を担えるかを疑問視し、寄席に押し掛ける民衆
押し合いの喧騒も、噺家は鶴の一声で黙らせる
面食らった民衆は噺の粗を探して後をつけるも
噺家はその話術で巧みに心をつかんでいく
実力を認めた民衆は噺家を応援し、今日も寄席に押し掛ける
現代まで続く名
その新たな一歩目
よさこいご縁まつり/出雲大社相模分祠会場
撮影:よさこいch様
『襲名-反対俥』
原作:桂文屋作 "反対俥"
[あらすじ]
上野発の最終便に向かいたい男は
俥屋(人力車:現代のタクシー)を探す
偶然見つけた威勢のいい俥屋に任せると、荒い運転に目が回る
何とか耐えて到着すると、見知らぬ場所
ここはどこだと問うと、なんと仙台だと抜かす
急いで戻るよう伝えても、俥屋は体力の限界
「代われ、俺が走らぁ」
そういって人力車を引く男、来た道を更に荒い運転で進む
そうして上野にたどり着いた男に俥屋は問う
「最終便に乗ってどちらまで」
「あぁ、仙台まで」
よさこいin光が丘/パレード第3会場
撮影:よさこいch様
『襲名-もう半分』
原作:三遊亭圓朝作 "もう半分"
[あらすじ]
注ぎ酒屋にやってきた見知らぬ老人
「茶碗に半分だけ酒をください」と注文し、飲み干すたびに
「もう半分、もう半分」と何度も頼む
老人が帰った後、席を見てみると、大金が置いてあった
慌てて取りに戻った老人は「お返しください」と懇願する
娘が吉原に身売りした金だというが、その大金に酒屋の夫婦は
目がくらみ、老人をたたき出してしまう
老人は情けなさに川から身を投げた
後日、夫婦の元に赤子が産まれた
しかし、皴まみれで白髪が生え、まるで老人のような出で立ち
ある夜、主人が寝室の襖を開けると油差しの油を飲む赤子
「じじい、迷ったか」そう言って油差しをはじき落とすと
赤子は笑いながら器を拾い、主人に向かって言った
「もう半分」
よさこいご縁まつり/出雲大社相模分祠会場
撮影:よさこいch様
『襲名-紺屋高尾』
原作:作者不明 "紺屋高尾"
[あらすじ]
紺屋の職人、久蔵は吉原で高尾太夫の花魁道中を見て以来、
高尾太夫に惚れ込んでしまった。
しかし、高尾太夫は「大名道具」といわれるように、
会うだけでも十両かかる、一般庶民には手の届かない存在。
3年働いて金を貯めれば、医者の先生の口添えで高尾に
会わせてやる、と言われた久蔵は必死に働き、
ついに十両の金を持って吉原へと向かう。
紅の口元、千両えくぼ、夢が真のこの一夜。
「よう来なました、次はいつ来てくんなます」
そう問われた久蔵は、ことのあらましを正直に伝える。
高尾は静かに聞き、久蔵に心打たれ、年季があけた3月15日
その日が来たら久蔵に嫁ぎたいと願い出る。
来る3月15日、店の前に高尾の乗った籠が止まる。
傾城に 真なしとは 誰が言うた